あまい・甘い・あま~い香りに誘われて
「葵って、部活何やってんの?」

「……調理部。
晒名は絶っ対に入部しないでね!!」

「虎太朗って呼ぶなら入んない。」

「は!?」

「早く呼んでよ。じゃないと俺も入部する」

「うっ、、、こっこたっ虎太朗く…ん…」

「くんはいらない。はいもう一度。
虎太朗」

「…虎太朗…」

「やべっ…」

晒名がくるりと私に背を向けた。

耳がほんのり赤い。

「もしかして、、、照れてる?
…虎太朗…」

突然振り向いた虎太朗は、ぎゅっと私を抱き締めた!!!

「葵が悪い!
俺を煽るから」

「なんでー!!呼べっていったのは自分でしょ!」

ジタバタもがく私に助け船が出された。

「はいはい。コタ行くぞ。河野さんかまうのもほどほどにしとけよ」

「あれっ?まんぞうって呼ぶんじゃなかったっけ?倉田」

「やっぱ呼びづらいからやめやめ。
虎太朗は河野さんだけみたいだから、コタでいいだろ?」

いつのまに仲良くなったんだろう、倉田が親しげにコタと呼んでいた。

とりあえず、私は倉田のおかげで解放された。
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