あまい・甘い・あま~い香りに誘われて
文化祭前々日、お菓子担当の女子数人が、私の家にクッキーを作りにきた。

虎太朗も
「俺も行く!俺も作る!」

と頑張ったけれど、倉田たちに
「コタは俺たちと設営だから!河野さんを今日は解放しろよ!」
と怒られて渋々学校に残った。

みんなでワイワイクッキーの型抜きをしながら、女子が集まれば話は恋バナに発展した。

「ねぇねぇ葵、あんなに積極的に肉食系に迫られてもう食べられちゃってるの?」

「晒名の最近のエロいイケメンスマイルはヤバイよねー」

「まだ、食べられてません!!」

真っ赤になって答える。

「…葵可愛いっ。なんか晒名が葵をかまうのわかるきがするゎ」
 
「葵ってさ、気がついてないみたいだけど、人気あるんだよ?入学してすぐくらいかな、男子がクラスの女子のランキングつけてて、葵がダントツだったんだよ」

「 あぁ、私も聞いたことある、葵に彼氏がいるのかかぎまわってたよね」

「だから、晒名が転校初日に葵に目つけて、男子たち悔しがってたもん。
晒名イケメンだから勝ち目ないって」


はじめてきく内容に私はアタフタして目を白黒させた。
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