あまい・甘い・あま～い香りに誘われて
恥ずかしがる私の手をしっかりつなぎ、私たちは教室に戻った。

そんな私たちを見て亜沙美は、

「あんまり葵が可愛かったから我慢できずに食べちゃった？」
とからかった。

虎太朗はニヤリと笑うと

「あまくて美味しくてヤバイ。
明日は即お持ち帰りして美味しくいただくから」

虎太朗のエロいイケメンスマイルに私と亜沙美は顔を見合わせて二人で赤面した。

午後、少し早く帰宅した私は、お店の厨房を借りてアップルパイやチーズケーキ、プリンと文化祭二日分のお菓子を作った。

学校での虎太朗との出来事を思い出すと、頬がポッと赤くなるのがわかる。

明日、きちんとメイクして髪を調え衣装を着て踊ったら、いったい彼はどんな顔をして私を見つめるんだろう。

そんなことを考えるとドキドキがとまらない。

ケーキ作りや虎太朗のことやらで私は眠ることができずに朝をむかえた。

< 31 / 47 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop