あまい・甘い・あま~い香りに誘われて
可愛らしい顔立ちのせいで小さい頃から女の子とまちがえられることは多々あった。

姉貴が俺を着せ替え人形にしていたので葵の中ではずっと女の子のこっちゃんで、葵の中ではか弱い守るべき女の子だった。

それでも良かった。
べたべたくっついてくる葵が可愛くて、嬉しくて、子供の頃から俺はよこしまだ(笑)
親父が亡くなり、しばらくして祖父母の家に俺たち一家は引っ越しした。
俺は、葵の成長過程の写真を母親にねだり、毎年大きなケーキと写る誕生日写真を母親経由で入手していた。

どんどん可愛く成長する葵。
俺はどうしても葵の側に行きたくなった。
進学校の男子校に受かり入学したものの、じぃちゃんにわがままを言った。

じぃちゃんは俺を実の孫以上にかわいがり溺愛していた。
「いつか晒名総合病院は虎太朗、お前にまかせたい」と。


「じぃちゃん頼みがある。大学は必ず医大に進学する。だからせっかく受かったけど俺私立大和学園に転校したい」

大和学園の理事長はじぃちゃんとも親父ともゴルフ仲間だった。

親父が葵にばらしたように俺たちの出会いは必然だ。
クラスも席さえも、俺は葵に男の俺で近づきたくて親父にかなりごねまくった。

俺の葵中毒は我が家では有名なのだ(笑)
必ず葵をてにいれたい!

「大きくなったら葵がこっちゃんをお嫁さんにする」

俺が葵をお嫁さんにするんだ。
俺の将来の夢は警察官でも医者でもどちらだっていいんだ。
葵がとなりにいてくれれば仕事なんてなんだってかまわない。

こんな俺を知ったら葵はひいてしまうだろうか…?

こんなにも君を想い続ける俺を、、、、。
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