*HIKARI*
しかし、光は土方の優しさを
疑われているのだと解釈した
疑わしい者、故にそばにおくのだと


「ありがとうございます
少なからず、お力になれているのなら嬉しいです」



光が部屋を後にした


その後ろ姿に、ため息

光の家は、全く誰も出入りがない
監視も解いてある


どれだけの期間をあの家でひとり、暮らしていたのか
いつ帰るのかわからない家族をどんな気持ちで待っていたのか


光が語ることも
新選組の誰かが聞くこともない


光が話せる環境を作ってやりたい

それには、沖田の警戒心を解くのが先だと
改めて痛感しつつ
光の煎れたお茶を覗く


キラキラと揺れるお茶には、茶柱が立っていた





きっと上手くいく

そう思えた















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