*HIKARI*
夕餉の際に光が原田に声をかけた


「家をお探しとお聞きしました
私の家を使ってくれませんか?」

「いいのか? 親父さんとか帰ってくるんだろ?」

「……」


光が言葉に詰まりやや俯き、悲しげに言った


「あの家に、父と兄の荷物は、何一つありません
『必ず、また会える』そう言って
私を置いて行ったきりで… すみません
戻る予定は、ありません…」


「謝ることは、ありませんよ
必ずと言ったのなら
光は、戻ると信じていればいい」


山南が微笑んだ



< 67 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop