*HIKARI*
光の潤んだ目を見て、客人 松平春嶽が微笑む

「すまぬ 其方を試す真似をした
どうやら、本当に父と兄の居所を知らないようだな
俺から、そのように報告すれば
少しは、其方への気をそらせるだろう」


松平が光を見据えた



「ここを出ろ
もっと…遠くに行くといい
新選組は、隠れ蓑にはならぬ
其方ほどであれば、こうなることは予測していたはずだろう」


「松平様 全て、覚悟故のこと
逃げも隠れも致しません
だから、報告も必要ございません
松平様に要らぬ疑いがあっては、心苦しいわ
それに、新選組の皆さんと過ごして
私、なんだか強くなりましたの」

「ふっ そうだな
良い目をするようになったな」



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