＊ＨＩＫＡＲＩ＊

「沖田さんが前に使っていたのも
私が作った試作品なんです
父と兄は、陶芸家でした
暮らしが貧しくて
幼なじみの秋山さん一家に私が養子になり
城で暮らすようになりました
そこで私は隠密になり、そして…
秋山さんと自分の刀を作ろうという話になり数年、完成したのがこの刀…」


刀のできがあまりにも良すぎた為に
傲慢な男が横取りしようとしたが
使い方が荒かったせいで
近くにいた人が犠牲になった

それから、今に至る話をしながら

刀を分解し、箱の中の物と組み替えた


「父が、良く言っていたんです
どんなに良い物を作っても、使う人が悪ければ、粗悪品と同じだと
兄が認めた沖田さんに…　差し上げます」



近藤の湯飲みは、光の父兄が作った物で
それを貰う時について行っていた沖田が刀を持っていないことから、試作品を受け取ったのだ



「湯飲み…　ごめん…」

「割れた時、凄く悲しかった
父兄の遺体を見たときを思い出して
でも、あの時、思ったの
仇討ちしても、無駄なんだなって
いざとなると、ダメで止めて貰って良かった」