天空に一番近い蒼─好きになった人は腰掛け体育教師でした

「せんせーめっちゃカッコ良かったぁ!」

「だろ!もっと誉めてー!」


 格好良い、のかもしれない。

 但し、教師にはあるまじきチャラさだけど…


「う、ん…どうかな?よく分かんないや」


 困り笑顔で茉莉ちゃんに返した。


「そっか」

 茉莉ちゃんが笑って応える。

 そして、

「やっぱ豊島先生が良かった?」

と訊ねられた。


「え…?」

「豊島先生の赤ちゃん、もう生まれたんでしょ?年度途中とかからでも戻ってきてくれたら良いのにね」

「…うん」



 それから二人でしばらくパスを練習した後、今度はシュート練習になる。
 さっきの先生のようにゴールに向かって走る途中でパスを受けて、それをゴールにシュートする。


 列に並び、茉莉ちゃんの次に私の番が来た。

 ゴールに向かって走り出すと、

「速く!なるべく速く走る!」

と先生の声が聞こえた。

 私は出来る限りダッシュする。
 そこに茉莉ちゃんからボールが投げられて、辛うじてキャッチするも…


(うゎ!勢いが付いて止まんないっ!!)


 私はシュートすることが出来ず、ボールを持ったまま4歩5歩と走り、ゴール直前でようやく止まった。


「青海ー!オーバーステーップ!!」

 先生の声が飛んでくる。

 恥ずかしい…
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