天空に一番近い蒼─好きになった人は腰掛け体育教師でした
追憶
9歳年上の姉、豊島麗、旧姓青海麗は私が物心付いた時から私の憧れだった。
「唯ちゃんおいで」
「このおやつが好きなの?じゃあ、私の分もあげる」
「可愛い唯ちゃん!大好きだよ」
優しく愛らしく、いつもにこにこ笑っている姉。
走るのが速くて、ピアノが上手で、いつも友達に囲まれている姉。
「麗ちゃんは本当にお利口ね」
「ピアノも英語も一度教えれば何でも出来るようになっちゃうんだもんなぁ」
「気持ちもとても優しい子で、誰にでも親切で」
大人は皆姉を誉めた。
「麗ちゃんいつも可愛いね」
「麗ちゃんだーいすき!」
「私のお姉ちゃんだったら良かったのに」
友達からの信頼も厚かった。
「麗ちゃんは自慢の娘よ」
両親も。
そして─
「唯ちゃんは良いお姉ちゃんがいて幸せね」
「うんっ!」
私にとってもまた姉は私の誇りで、私の全てだった。
*
「唯ちゃんおいで」
「このおやつが好きなの?じゃあ、私の分もあげる」
「可愛い唯ちゃん!大好きだよ」
優しく愛らしく、いつもにこにこ笑っている姉。
走るのが速くて、ピアノが上手で、いつも友達に囲まれている姉。
「麗ちゃんは本当にお利口ね」
「ピアノも英語も一度教えれば何でも出来るようになっちゃうんだもんなぁ」
「気持ちもとても優しい子で、誰にでも親切で」
大人は皆姉を誉めた。
「麗ちゃんいつも可愛いね」
「麗ちゃんだーいすき!」
「私のお姉ちゃんだったら良かったのに」
友達からの信頼も厚かった。
「麗ちゃんは自慢の娘よ」
両親も。
そして─
「唯ちゃんは良いお姉ちゃんがいて幸せね」
「うんっ!」
私にとってもまた姉は私の誇りで、私の全てだった。
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