天空に一番近い蒼─好きになった人は腰掛け体育教師でした
ゴールデンウィークも終わり今日は皐月晴れ。抜けるような青空にギラギラと輝く太陽が眩しい。
いつものように屋上で北側のフェンスを背に床にぺたりと座り込み空を見上げる昼下がり。
しばらくしていつものように扉の開く音がした。
私は素知らぬ顔でただ頭上に広く広がる青を見つめる。
「おっ、いたいた」
大股でがつがつ近付いてくると隣にどさっと腰を下ろす。
「今日は暑いくらいだなぁ」
先生はそう言ってポケットに手を突っ込む。
水色のパッケージが出てくるかと思いきや…
「なぁ、チョコ食う?」
「へ?」
取り出したのは定番の赤い箱のチョコレートだった。
「…いらない」
「えー、まぁそう言わずにお一つ」
箱から銀色の包みを一つ取ると、有無を言わせず私の膝に置く。
「いやー、煙草止めたら口寂しくてさぁ。一人で食べんのも気が引けるから食べて」
と、箱からチョコをもう一つ出して銀紙をくるくると剥き、自分の口にぽんと放り込んだ。
「あっ、暑いからもう柔らかくなってやがる。青海も早く食った方がいいよ」
「……」
促されておずおずと包みを剥く。
「…ありがと」
口に入れると少し柔らかなそれはあっという間に解けていく。
いつものように屋上で北側のフェンスを背に床にぺたりと座り込み空を見上げる昼下がり。
しばらくしていつものように扉の開く音がした。
私は素知らぬ顔でただ頭上に広く広がる青を見つめる。
「おっ、いたいた」
大股でがつがつ近付いてくると隣にどさっと腰を下ろす。
「今日は暑いくらいだなぁ」
先生はそう言ってポケットに手を突っ込む。
水色のパッケージが出てくるかと思いきや…
「なぁ、チョコ食う?」
「へ?」
取り出したのは定番の赤い箱のチョコレートだった。
「…いらない」
「えー、まぁそう言わずにお一つ」
箱から銀色の包みを一つ取ると、有無を言わせず私の膝に置く。
「いやー、煙草止めたら口寂しくてさぁ。一人で食べんのも気が引けるから食べて」
と、箱からチョコをもう一つ出して銀紙をくるくると剥き、自分の口にぽんと放り込んだ。
「あっ、暑いからもう柔らかくなってやがる。青海も早く食った方がいいよ」
「……」
促されておずおずと包みを剥く。
「…ありがと」
口に入れると少し柔らかなそれはあっという間に解けていく。