天空に一番近い蒼─好きになった人は腰掛け体育教師でした
 翌日。

 昼休み、先生は屋上に来なかった。
 私が望んだように、静かな時間を過ごした。
 煤けた空と陰鬱な風は5月のそれとは思えなかった。


 明くる日も、また明くる日も先生は来なかった。

 甘過ぎるチョコレートを味わいながら見上げたあの日のようには空は晴れることがなかった。


        *   *   *
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