キミ、依存症
早く帰ろっと校門に差し掛かった時、寄り掛かっている人が居た。
ダルそうに携帯の画面から顔を上げ、その人は私を見るなり
「あれ、菜乃ちゃんだ」
そういって嬉しそうに笑った。
「あ、あの時の先輩…」
「なになに、名前で呼んでくれないの?あの日以来の再会なのに?」
「え?いや、そんなに親しい仲でもないですし…?」
「えー、あの時俺になにして貰ったのか忘れたんだー?あんなことまでさせたのにー?」
そう言うと下校中の人の視線が一瞬で私たちへと向けられる。