キミ、依存症


早く帰ろっと校門に差し掛かった時、寄り掛かっている人が居た。


ダルそうに携帯の画面から顔を上げ、その人は私を見るなり


「あれ、菜乃ちゃんだ」


そういって嬉しそうに笑った。


「あ、あの時の先輩…」


「なになに、名前で呼んでくれないの?あの日以来の再会なのに?」


「え?いや、そんなに親しい仲でもないですし…?」


「えー、あの時俺になにして貰ったのか忘れたんだー?あんなことまでさせたのにー?」


そう言うと下校中の人の視線が一瞬で私たちへと向けられる。



< 112 / 342 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop