キミ、依存症
なんだか佐藤先輩のことはハルに言っちゃいけない気がするから。
「へぇ…。菜乃は学校でそんなに男の近くにいるの?」
吐息が首筋にかかる。
擽ったくて離れようとしても、ハルは更に抱きしめる力を強めた。
「ねぇ、菜乃。俺が今どんな気持ちかわかる?」
「……ハルの気持ち?」
そんなの分かるわけない。
だってハルの顔見えないもん。
でも、ハルの心臓がドクンドクンとすごく脈打ってるのは背中に伝わって来る。