キミ、依存症


会わないことにホッとしている自分と、会えないことに残念がっている自分。


自分でも訳が分からないモヤモヤしている自分。


はぁっと思わずため息が出てしまう。


「菜乃ちゃんは本当にため息好きだね」


「ため息が好きな人なんて、居るわけないじゃないですか」


「俺の隣にいると思うよ」


「誰のせいでっ!」


「へぇー。俺のせいでため息が出てるっていうの?そんなに俺のこと考えてるの?」


そういったかと思えば、佐藤先輩は私の手をつかんだかと思えば、そのまま人気のない教室へと入っていく。

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