キミ、依存症
そういうとハルの握る手がそっと離れた。
さっきまで感じていたぬくもりは無くなって、一気に虚しさだけが押し寄せてきた。
「…じゃあ、私は先輩と帰るから」
ハルの横を通り過ぎると、大好きな匂いが鼻を刺激する。
だけど、グッとハルが私の手を掴んで。
「行かないでほしい」
なんて、今にも消えそうな声で言うから思わず頷きそうになる。
「…ごめんなさい」
それだけ言い残して、私は掴まれた手をほどいた。