キミ、依存症


そういうと先輩はふーんっと、面白くなさそうにして、ハッとしたように


「そういえばさぁ、俺たち付き合ってるのにデートしたことないよね」


と、いつも通りヘラヘラとした口調で言った。


「付き合ってないですから!デートもしませんっ!」


「じゃあ、今週の土曜日に駅前10時で待ち合わせね」


それだけ言うと私を置いて走って行ってしまった。


「ちょっと!私行きませんからね!?」


そんな声は小さくなった背中に、ちゃんと聞こえたかは分からない。


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