キミ、依存症


「…土曜日、よろしくお願いします」


改めて伝えるのは恥ずかしくて、聞こえるか分からないくらいの声だった。


あまりにも恥ずかしくて先輩の返事は聞かずに廊下を走って教室へ戻った。


途中で先生に注意されたような気もしたけど、今はそれどころではなかった。


慣れないことをしたせいもあって、緊張したとか、恥ずかしかったとかいろいろ込み上げてきている。


そんな私には先輩が


「…反則でしょ」


って呟きながら赤くなっていたことなんて知るわけがなかった。





< 190 / 342 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop