キミ、依存症


「…ハルに話すことなんてないよ」


つい突き放すような言い方をしてしまった。


でも、これが良いんだ。優柔不断な気持ちなんて気にしちゃだめ。


今さら揺らぐことなんてあっちゃいけない。


なのに、どうしてだろうね。


ハルの温もりが、声が、触れる手が、こんなにも愛おしいなんて思ってしまうのは。


私は最低だ。馬鹿野郎だ。


「それでも、いいよ。でも、菜乃は渡せない」


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