キミ、依存症
その声はどこか寂しそうだった。
「入学式の時に道に迷ってた俺を案内してくれたのが古市さんだったんだよ」
そう説明してくれた草壁君にはもうしわけないけど、あまり覚えてない…。
「いい子だなって思いながら、そのあともついつい古市さんのことを目で追ってしまってた」
気持ち悪いでしょ?って言う草壁君に私は首を振る。
「そ、そんなことない!私もその気持ちわかるから…」
私もずっとハルの事をついつい目で追ってしまっていたからその気持ちは痛いほどわかる。
分かるから、なんだか胸が締め付けられる。