キミ、依存症



スルッと器用に、いつもと変わらないように、リボンを解く。


「ハルっ…」


待っての意味を込めて手を掴むと簡単に交わされて手を握られる。


ハルの手をいつも冷たくて、それが心地いい。


「菜乃」


なんで?どうして、そんなに名前を呼ぶの?


そんなの可笑しいよ。


私には関係ないって言ったのに、そんな風に優しく呼ばれてしまうと、私はきっとまたハルにハマっていく。

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