キミ、依存症



ハルの指先が、私の制服のリボンに触れたと思えば、あっという間にシュルッと解かれる。


解かれたリボンが虚しく床へと落ちた。


ハルはこう言うことに慣れているんだろうか?


たまに女の人が家に入っていくのを見たことがあったけど、そんな話は一度も聞いたことはなかった。


私がただ聞くのが怖いだけ。


だったら、聞かない方がまだ良い。


「ハルっ、学校・・・」


「そんなのどうでも良いよ」


私のことなんておかまいなしにブラウスのボタンを器用に外していく。


本当にムカつく。


余裕のあるハルと違って、私はもう余裕なんて言葉さえも浮かばないって言うのに。


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