ピュアダーク
「それは、ベアトリスの背中にほくろがあること」

「ちょっと、そういうことじゃなくて…… ん? でもどうしてそんなこと知ってるのよ。いつ見たのよ」

「子供の頃、一緒にプール入っただろ。その時にみたよ」

 ベアトリスは話にならないと呆れてしまった。

 その時、後ろで物音がした。

 振り返るとアメリアがトレイを持って震えるように立っていた。

「アメリア、寝てなくっちゃダメじゃない。そんなの持ってこなくてもいいのに」

 ベアトリスはトレイを受け取ると、アメリアは不安な顔でベアトリスを見つめていた。

 何かを言いたげにしてるが、それを声に出すのを躊躇っていた。

 パトリックが助け舟を出すようにアメリアの体を支えた。

「アメリア、ここは僕に任して。さあ、ベッドに戻ろう。ベアトリス、悪いけど食器洗っててね。今度はベアトリスが働く番」

 パトリックはアメリアの肩を両手で優しく支えて部屋まで連れて行った。

「何が、僕に任せてだ。食器洗えって私に命令してるだけじゃない」

 ベアトリスはパトリックが言った言葉を履き違えていた。

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