ピュアダーク
「ねぇ、なんか飲まない? 喉渇いちゃった」

 ケイトがモールの中心にあるフードコートに行こうと誘った。

 各々の好きなものを手に入れ、空いているテーブルを見つけ一息つく。

 だけどサラだけは、何も頼まず静かに座っていた。

 グレイスが気を利かせて、自分の飲み物を勧めるが、いらないとサラは手ではたいてしまった。

 その時カップがテーブルに倒れしまい、蓋がしてあったがストローを差し込んだ隙間から少し中身が飛び出してしまった。

「サラ、いい加減にしなさい」

 レベッカが注意をすると、グレイスはこれ以上こじれるのを避けるためになだめていた。

「大丈夫だって。私の不注意で傾いただけだから。ちょっと手が汚れたから洗ってくるね」

 グレイスは立ち上がり席をはずした。
 
サラのおかしさがいつもの機嫌の悪さとは違うのを気にしていた。

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