ピュアダーク
「麗しのアメリア。怪我してるじゃないか。大丈夫かい。首のギプスが痛々しいよ。それの報告で私を呼び出したのかい? それでも嬉しいよ君の方から連絡をくれるなんて。いつもは私の方から一方通行の愛だったからね」
「余計なことは言わないの、ブラム。単刀直入に言うわ。ダークライトに襲われたの。そしてもっとやっかいな他のダークライトも現れた。名前はコール。この男からベアトリスを守る手伝いをして欲しいの。お願い力を貸して。それにもし何かあればあなたにも都合が悪くなってしまうことになるし……」
「うーん、君の頼みなら仕方がない。いずれはこうなることも予測していた。いつまでも君とリチャードだけでベアトリスの存在を隠し通すことなどできないと思っていたよ。判った、地上に降りるよ。まずはコールがどんな奴か様子を見てから対策を練ろうとしよう。闇雲に動いても私が狙われるって事にもなりかねな い。私だって命は惜しい」
アメリアは頼みごとをする立場で黙って聞いていたが、ブラムの軽々しくいう言い方には我慢できないものがあった。
結局は自分の事しか考えてないのがよく伝わった。
それはこの時に始まったことではなかった。
「ありがと」
それでもアメリアは本来の感情を抑えて礼を言う。
「私を頼ってくれて嬉しいよ、アメリア。時には私の愛も受け入れて欲しい」
ブラムは優しい潤った瞳でアメリアを見つめる。
アメリアはこれ以上我慢できないと、顔をそらした。
「わかったわかった。ちょっと気持ちをぶつけすぎた。そんな資格がないこと充分承知しているよ。それじゃこれで失礼する。またこの件については連絡する」
「ちょっと、待って。この間も言ったけど最近ライトソルーションの量が少ないの。もう少し増やしてくれない」
「私もできるだけと思っているのだけど、何せ隠れてこそこそ送り込んでるから、自由にすぐには与えられない。なんとかしてみるがこれが現状なのも理解して欲しい」
「判ったわ。私の分をベアトリスにまわせばなんとかなる」
「それはだめだ、君も摂取しないといけない。ライトソルーションが全て体から抜けてしまえば、それに慣れきった君の体はやっかいなことになってしまう。一度摂取すれば一生摂取しないといけない体だ。君はディムライトでもノンライトでもない、ホワイトライトとのハイブリッドだから、ライトソルーションなしではもう生きていけないはずだ」
「ホワイトライトのハイブリッド…… なりたくてなったんじゃないわ」
「ごめん、そういうつもりじゃなかった。君を心配してのことなんだ。わかって欲しい。私もできるだけ用意する。だから君も自分の体のことを気遣ってくれ。 君が動けなければベアトリスだって心配するはずだ」
「わかったわ」
アメリアが渋々承諾すると、ブラムはにっこりと笑顔を残してその姿は消えた。
アメリアはライトソルーションの壷を冷ややかな瞳で暫く見つめる。
そしてベッドに戻り横になり、その日の午後はいろんなことを思いながらずっと寝ていた。
アメリアはブラムとこうやっていつも連絡を取り合っていた。
以前ベアトリスが部屋の外から聞いた声もブラムとの会話の最中だった。
しかし、アメリアはブラムと会うといつも気が滅入ってしまっていた。
自分で助けを請うたとはいえ、この時抱える問題にさらに重石が圧し掛かかってしまった。
だがそれとは反対にブラムは、コールを挑発しゲーム開始の始まりを楽しもうとしている。
やっと自分の出番が来たかと思ったように──。
「余計なことは言わないの、ブラム。単刀直入に言うわ。ダークライトに襲われたの。そしてもっとやっかいな他のダークライトも現れた。名前はコール。この男からベアトリスを守る手伝いをして欲しいの。お願い力を貸して。それにもし何かあればあなたにも都合が悪くなってしまうことになるし……」
「うーん、君の頼みなら仕方がない。いずれはこうなることも予測していた。いつまでも君とリチャードだけでベアトリスの存在を隠し通すことなどできないと思っていたよ。判った、地上に降りるよ。まずはコールがどんな奴か様子を見てから対策を練ろうとしよう。闇雲に動いても私が狙われるって事にもなりかねな い。私だって命は惜しい」
アメリアは頼みごとをする立場で黙って聞いていたが、ブラムの軽々しくいう言い方には我慢できないものがあった。
結局は自分の事しか考えてないのがよく伝わった。
それはこの時に始まったことではなかった。
「ありがと」
それでもアメリアは本来の感情を抑えて礼を言う。
「私を頼ってくれて嬉しいよ、アメリア。時には私の愛も受け入れて欲しい」
ブラムは優しい潤った瞳でアメリアを見つめる。
アメリアはこれ以上我慢できないと、顔をそらした。
「わかったわかった。ちょっと気持ちをぶつけすぎた。そんな資格がないこと充分承知しているよ。それじゃこれで失礼する。またこの件については連絡する」
「ちょっと、待って。この間も言ったけど最近ライトソルーションの量が少ないの。もう少し増やしてくれない」
「私もできるだけと思っているのだけど、何せ隠れてこそこそ送り込んでるから、自由にすぐには与えられない。なんとかしてみるがこれが現状なのも理解して欲しい」
「判ったわ。私の分をベアトリスにまわせばなんとかなる」
「それはだめだ、君も摂取しないといけない。ライトソルーションが全て体から抜けてしまえば、それに慣れきった君の体はやっかいなことになってしまう。一度摂取すれば一生摂取しないといけない体だ。君はディムライトでもノンライトでもない、ホワイトライトとのハイブリッドだから、ライトソルーションなしではもう生きていけないはずだ」
「ホワイトライトのハイブリッド…… なりたくてなったんじゃないわ」
「ごめん、そういうつもりじゃなかった。君を心配してのことなんだ。わかって欲しい。私もできるだけ用意する。だから君も自分の体のことを気遣ってくれ。 君が動けなければベアトリスだって心配するはずだ」
「わかったわ」
アメリアが渋々承諾すると、ブラムはにっこりと笑顔を残してその姿は消えた。
アメリアはライトソルーションの壷を冷ややかな瞳で暫く見つめる。
そしてベッドに戻り横になり、その日の午後はいろんなことを思いながらずっと寝ていた。
アメリアはブラムとこうやっていつも連絡を取り合っていた。
以前ベアトリスが部屋の外から聞いた声もブラムとの会話の最中だった。
しかし、アメリアはブラムと会うといつも気が滅入ってしまっていた。
自分で助けを請うたとはいえ、この時抱える問題にさらに重石が圧し掛かかってしまった。
だがそれとは反対にブラムは、コールを挑発しゲーム開始の始まりを楽しもうとしている。
やっと自分の出番が来たかと思ったように──。