ピュアダーク
「コール! なんてことをしたんだよ。ザックを殺しちゃったのか」

「ああ、悪く思わんでくれ。ノンライトでもどれくらいの力が発揮できるか練習さ。こんな体でもなんとかなりそうだ」

「ああ、ああ、ザック! コール、酷い。ザックは手助けしてくれたのに、こんなことするなんて」

「おい、ゴードン、勘違いするな。コイツは自分に都合が悪くなればリチャードにつくタイプだ。俺がノンライトに成りすましてることがばれてみろ、計画が台無しだ。それに俺のことを嫌う他のダークライトにも知られたら、意識のない俺はあっさりと襲われてしまう。全ては計画のためだ。我慢しろ」

「でも、でも、ザックはとってもいい奴で、オイラ大好きだったんだ!」

 ゴードンは泣きじゃくっていた。

「ゴードン、いい加減にしろ」

 その時、ゴードンの背中から影が姿を現す。

 コールは首を縦にふると、たちまちゴードンの目が赤褐色になり、無表情になった。

「さあ、ゴードン、こいつをどっかに始末してこい」

 ゴードンはザックを抱きかかえると、命令されるままどこかへ消えていった。

「体は違えど、影は俺を判別するみたいだな」

 コールは自分の体に近寄り、ベッドに寝かしてやった。

「暫くゆっくり休んでおけよ、コール!」

 怯えきっていたポールの体は、中身が違うだけで自信を得て背筋が伸びていた。

 顔つきも穏やかだったものが悪意を持ったきつい表情に変わった。

 ただ体つきだけはぶよぶよとたるみ、コール自身も腹をつまんでしかめっ面をしていた。

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