ピュアダーク
 家に帰宅途中、色々なことが頭に浮かんでいた。

 めまぐるしい展開──。整理しきれない。

 こんなとき何を優先に考えるべきなのか、それを思ったときふと浮かんだ。

「あっ、今日の朝食とお弁当、テーブルに置きっぱなしだ。食べてないってばれたらアメリアの機嫌が悪くなる。早く帰って始末しないと。見つかったら大変」

 突然一目散に走り出した。

 玄関に着いたとき、息は切れ、汗だくになっていた。

 慌ててカギを差込み、乱暴にドアをあけた。

 あと少しでアメリアが戻ってくると思うと、バックパックの鞄を居間のソファーに放り投げ、あたふたしてキッチンへと駆け込んだ。

 しかし、そこで急に足が止まった。

「えっ、これ何?」

 キッチンはダイニングエリアを含む長方形の空間。

 三分の一が調理場となっている。

 残りの部分に飾り棚やテーブルが置かれている。

 そのテーブルの上は朝に食べるはずだった朝食がそのまま乗っていた。

 それは目玉焼き、ソーセージ、トーストが一つのお皿に盛り付けされ、隣にはミルクがグラスに注がれたままであったが、不思議なほどそれらがキラキラと光っているのだった。

 ベアトリスは恐々と近づいた。

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