ピュアダーク
その瞬間破るようにドアが開き、リチャードとアメリアが駆け込んできた。
二人は一瞬で状況を把握すると真っ青になった。
「遅かったなリチャード。ライフクリスタルは頂いたよ。これで全てが俺のもの」
コールは高らかに笑い勝利宣言をした。
ヴィンセントは床に無残に転がったベアトリスを見て怒りを爆発する寸前まで来ている。
「ヴィンセント、怒りで爆発させても何も解決にはならない。落ち着くんだ」
リチャードが叫んだ。
パトリックも、アメリアも、呆然と立ちすくみ、悲痛な思いで泣き叫んでいた。怒りと悲しみが絡み空気がよどむくらいの振動があたり一面にいきわたる。
誰もがショックで打ちのめされていたとき、周りが急激に乳白色の柔らかい光に包まれ、暗い部屋から突然違う空間へと移された。
周辺は霞が漂った柔らかい感触の光で満ち、優しい白さに包まれて癒されるような空間だった。
「なんだ、ライフクリスタルを奪った影響なのか。もしやここはホワイトライトの住む場所か」
コールは周りを見ながら呟いた。
「大雑把に言えばそうでもあるが、厳密にいうとここは私が作った隠し部屋みたいなもんだ。ここも時間の概念がない。永久に永遠の場所。ここに居る限り全てはそのままで何も変化しない」
「誰だ?」
突然コールの側にブラムが姿を現した。コールは警戒して身構えた。
「ブラム! どうしてもっと早く来てくれなかったのよ。ベアトリスのライフクリスタルが奪われしまった。彼女は彼女は」
アメリアが責め立てて泣き叫ぶ。側でリチャードがなだめるように彼女の両肩を支えていた。
「安心しなさい。ベアトリスはまだ死んではいないし、そのライフクリスタルもまだ完全じゃない」
「あんたも、ホワイトライトか。どういうことだ、これが完全じゃないとは」
コールが聞く。
「それはあることをして初めて意味を成す。ほらごらん、その証拠にベアトリスが目を覚ましたよ」
ベアトリスは目を開き、体を起こそうとするが力がなく立ち上がれない。
重力に押し付けられるように地面に倒れこんでいた。
パトリックが咄嗟に走りより、ベアトリスを支えた。
「パトリック、元に戻ったんだね。よかった」
ベアトリスは声を絞り出し笑顔を見せる。
パトリックは言葉につまるが、涙を一杯溜めた目で慰めようと精一杯の笑顔を返した。
ベアトリスが辺りを見回し、アメリアとリチャードが居ることを知って安心した表情になった。
ヴィンセントも野獣の姿ながら無事を確認して満足していた。
そして髪の長い男に視線がいった。
「あなたは、あの時の人」
「やあベアトリス、覚えていてくれたんだね。中々私を呼んでくれないから、近づきようがなかったよ。忘れられたかと思っていた」
ブラムが状況も把握せず何事もなかったかのように軽く笑いながらしゃべる。
「ブラム、どういうこと。いつベアトリスに接触したの」
アメリアが驚いて口を挟んだ。
二人は一瞬で状況を把握すると真っ青になった。
「遅かったなリチャード。ライフクリスタルは頂いたよ。これで全てが俺のもの」
コールは高らかに笑い勝利宣言をした。
ヴィンセントは床に無残に転がったベアトリスを見て怒りを爆発する寸前まで来ている。
「ヴィンセント、怒りで爆発させても何も解決にはならない。落ち着くんだ」
リチャードが叫んだ。
パトリックも、アメリアも、呆然と立ちすくみ、悲痛な思いで泣き叫んでいた。怒りと悲しみが絡み空気がよどむくらいの振動があたり一面にいきわたる。
誰もがショックで打ちのめされていたとき、周りが急激に乳白色の柔らかい光に包まれ、暗い部屋から突然違う空間へと移された。
周辺は霞が漂った柔らかい感触の光で満ち、優しい白さに包まれて癒されるような空間だった。
「なんだ、ライフクリスタルを奪った影響なのか。もしやここはホワイトライトの住む場所か」
コールは周りを見ながら呟いた。
「大雑把に言えばそうでもあるが、厳密にいうとここは私が作った隠し部屋みたいなもんだ。ここも時間の概念がない。永久に永遠の場所。ここに居る限り全てはそのままで何も変化しない」
「誰だ?」
突然コールの側にブラムが姿を現した。コールは警戒して身構えた。
「ブラム! どうしてもっと早く来てくれなかったのよ。ベアトリスのライフクリスタルが奪われしまった。彼女は彼女は」
アメリアが責め立てて泣き叫ぶ。側でリチャードがなだめるように彼女の両肩を支えていた。
「安心しなさい。ベアトリスはまだ死んではいないし、そのライフクリスタルもまだ完全じゃない」
「あんたも、ホワイトライトか。どういうことだ、これが完全じゃないとは」
コールが聞く。
「それはあることをして初めて意味を成す。ほらごらん、その証拠にベアトリスが目を覚ましたよ」
ベアトリスは目を開き、体を起こそうとするが力がなく立ち上がれない。
重力に押し付けられるように地面に倒れこんでいた。
パトリックが咄嗟に走りより、ベアトリスを支えた。
「パトリック、元に戻ったんだね。よかった」
ベアトリスは声を絞り出し笑顔を見せる。
パトリックは言葉につまるが、涙を一杯溜めた目で慰めようと精一杯の笑顔を返した。
ベアトリスが辺りを見回し、アメリアとリチャードが居ることを知って安心した表情になった。
ヴィンセントも野獣の姿ながら無事を確認して満足していた。
そして髪の長い男に視線がいった。
「あなたは、あの時の人」
「やあベアトリス、覚えていてくれたんだね。中々私を呼んでくれないから、近づきようがなかったよ。忘れられたかと思っていた」
ブラムが状況も把握せず何事もなかったかのように軽く笑いながらしゃべる。
「ブラム、どういうこと。いつベアトリスに接触したの」
アメリアが驚いて口を挟んだ。