ピュアダーク
「今さら気がついたのか。そうさ、お前達親子があの町に行くように仕向けたのも、ベアトリスがホワイトライトの力を発揮させるように私が企んだ。私の計画としてはリチャードが自分の病弱な妻の命を救いたいがために、ベアトリスを利用すると思っていたのさ。ダークライトはホワイトライトには敏感だ。絶対気がつくと思っていた」
「だが、力を目覚めさせたのはこの俺だったってことか」
「ああ、読みは外れたが、却ってより強力にベアトリスは力を発揮することができた。実は私も焦っていたんだ。10年を過ぎてからでは力が失われるために、その前にどうしてもベアトリスの力を目覚めさせなければならなかった。お前には本当に感謝してるくらいだ。ヴィンセント」
「僕はそんな事も知らずにブラム様に忠誠を誓い、本来守るべきベアトリスを陰で裏切っていたということなのか」
パトリックが押さえきれない感情を抱えて自分の立場を酷く呪っていた。
「通りで、何もしなかった訳だ。これも最初からコールにベアトリスを狙わせるように仕向けていたってことか。俺たちも随分もてあそばれたもんだ」
ヴィンセントの目が一層赤く炎のように燃え出した。怒りが収まらない。
「さて、おしゃべりが過ぎたようだ。早くしなければ折角のベアトリスのライフクリスタルが無駄になってしまう」
ブラムはすっかり冷え切ったベアトリスの腕を取った。
「一体ベアトリスをどうする気なの」
アメリアがベアトリスを渡さないようにと横たわっている彼女を守ろうと抱きつく。
「そんなことをしても無駄さ。私は彼女の一滴の血がほしいだけだ」
ベアトリスの指先をブラムはかみそりの刃を振りかざすように細い光を爪に灯して切った。
赤い小さな玉が彼女の指先から現れた。
そしてライフクリスタルを下にして上に掲げた彼女の指先から小さな赤い雫が滴った。
血がライフクリスタルの表面に落ちたとき、化学反応を起こしたように輝き出した。
まるで命を与えられた生き物のようにリズムを打って光っている。
「完全なライフクリスタルの完成だ」
ブラムは歓喜に溢れる。
それをエミリーの心臓めがけてはめ込もうとした。
アメリアがブラムの腕を掴み泣きながら叫んだ。
「やめて、ダディー!」
ブラムの動きは止まったが、アメリアの一言で周りのものも驚きで息を飲む。
「ブラムが、アメリアの父親…… そうするとあれは母親?」
ヴィンセントが無意識に呟いていた。
「だが、力を目覚めさせたのはこの俺だったってことか」
「ああ、読みは外れたが、却ってより強力にベアトリスは力を発揮することができた。実は私も焦っていたんだ。10年を過ぎてからでは力が失われるために、その前にどうしてもベアトリスの力を目覚めさせなければならなかった。お前には本当に感謝してるくらいだ。ヴィンセント」
「僕はそんな事も知らずにブラム様に忠誠を誓い、本来守るべきベアトリスを陰で裏切っていたということなのか」
パトリックが押さえきれない感情を抱えて自分の立場を酷く呪っていた。
「通りで、何もしなかった訳だ。これも最初からコールにベアトリスを狙わせるように仕向けていたってことか。俺たちも随分もてあそばれたもんだ」
ヴィンセントの目が一層赤く炎のように燃え出した。怒りが収まらない。
「さて、おしゃべりが過ぎたようだ。早くしなければ折角のベアトリスのライフクリスタルが無駄になってしまう」
ブラムはすっかり冷え切ったベアトリスの腕を取った。
「一体ベアトリスをどうする気なの」
アメリアがベアトリスを渡さないようにと横たわっている彼女を守ろうと抱きつく。
「そんなことをしても無駄さ。私は彼女の一滴の血がほしいだけだ」
ベアトリスの指先をブラムはかみそりの刃を振りかざすように細い光を爪に灯して切った。
赤い小さな玉が彼女の指先から現れた。
そしてライフクリスタルを下にして上に掲げた彼女の指先から小さな赤い雫が滴った。
血がライフクリスタルの表面に落ちたとき、化学反応を起こしたように輝き出した。
まるで命を与えられた生き物のようにリズムを打って光っている。
「完全なライフクリスタルの完成だ」
ブラムは歓喜に溢れる。
それをエミリーの心臓めがけてはめ込もうとした。
アメリアがブラムの腕を掴み泣きながら叫んだ。
「やめて、ダディー!」
ブラムの動きは止まったが、アメリアの一言で周りのものも驚きで息を飲む。
「ブラムが、アメリアの父親…… そうするとあれは母親?」
ヴィンセントが無意識に呟いていた。