ピュアダーク
54 結ばれる絆
「ヴィンセント、抵抗するのはやめて。不利になるわ」
アメリアが静かに言った。
「一体何が起こってるの?」
ベアトリスは威圧感ある団体に睨まれ、嫌な予感と共に不安で胸の鼓動が激しく波打った。
ドクドクと血が体を走り抜けていき、ベアトリスの感情を刺激すると目の前の者を敵視した。
「我々はホワイトライト界の秩序を乱すものを取り締まる者。よってライフクリスタルを手にしたダークライトを抹殺しに来た」
代表者らしき者が一歩前に出て説明する。
ブラムのように銀に近いブロンドで髪が長く、美しい部類に入るのだろうが、冷たい厳しさが顔に滲み出ているだけできつい印象しかなかった。
「ブラムの存在がなくなったのをいち早く我々は感知した。だが彼のライフクリスタルは一緒に消滅しなかった。その近くでダークライトの強い気の反応。案の定、それがさす場所にきてみれば、このダークライトがライフクリスタルを手に入れてるではないか。そんな危険な奴を野放しにはできない」
「待って下さい。ヴィンセントは邪悪なダークライトではありません。それは私が保証します。それにブラムは自ら自分のライフクリスタルをそのものに与えました」
アメリアが必死に懇願する。
「あなたはブラムの娘。だが我々の目から見れば完全なホワイトライトではない。あなたの意見は聞き入れられない」
「ちょっと、いい加減にしてよ。完全なホワイトライトじゃないから聞き入られないってどういうことよ。ヴィンセントはあなたたちが思うようなダークライトじゃないんだから」
ベアトリスは切れた。
パトリックはその姿を見ていて、子供の時にいじめっ子たちに果敢に向かっては弱いものを救っていたときの彼女を思い出した。
──あの子供の時のベアトリスだ。そっか、性格もライトソルーションで押さえられていたということなのか。
パトリックも一緒になって証明する。
「ディムライトの僕からも証言します。ヴィンセントは危険なダークライトではありません」
ホワイトライトのリーダーが鼻で笑った。
ディムライトの意見などもっといらないと馬鹿にした。
ベアトリスはその態度に益々憤慨した。
「君はどこの所属のホワイトライトだ。私達のリストには載ってないようだが」
「私はどこにも所属なんてしてないわ。はぐれ者よ」
「はぐれ者? 名前はなんと申す?」
「ベアトリス・マクレガーよ。文句ある?」
その名前を聞くとホワイトライト達は急に固まってひそひそと話し出した。
またリーダーが一歩前に出てベアトリスと向き合った。
「君はホワイトライト界でも嫌味嫌われる存在。まさか力を得て地上界に住んでいたとは驚きだ。力が封印されているはずではなかったのか」
「封印はとっくにとけたわ。だったら私も抹殺の対象となるんでしょう」
「普通のホワイトライトならそうなるだろう…… しかし君は違う。私の一存では何もいえない」
「どういうことよ」
「君はホワイトライトの長の娘だからだ。我々の一番頂点に立つ存在の娘。それだけに私は自分の判断だけでは決められない」
ベアトリスの出生の真実に皆一同驚いた。
「この件はブラムが担当していた。ブラムは長の側近で権限を与えられていた。だが私にはその権限はない」
「だったら、私をその人の所に連れて行って。そして話をさせて」
「俺も一緒に行く。それってベアトリスの本当の父親ってことになるんだろう」
ベアトリスとヴィンセントの提案にまたホワイトライト一同は集まってひそひそ話し出した。
暫くその話し合いは続き、ホワイトライト達もどうすべきか判断に困っている様子が伝わってくる。
アメリアが静かに言った。
「一体何が起こってるの?」
ベアトリスは威圧感ある団体に睨まれ、嫌な予感と共に不安で胸の鼓動が激しく波打った。
ドクドクと血が体を走り抜けていき、ベアトリスの感情を刺激すると目の前の者を敵視した。
「我々はホワイトライト界の秩序を乱すものを取り締まる者。よってライフクリスタルを手にしたダークライトを抹殺しに来た」
代表者らしき者が一歩前に出て説明する。
ブラムのように銀に近いブロンドで髪が長く、美しい部類に入るのだろうが、冷たい厳しさが顔に滲み出ているだけできつい印象しかなかった。
「ブラムの存在がなくなったのをいち早く我々は感知した。だが彼のライフクリスタルは一緒に消滅しなかった。その近くでダークライトの強い気の反応。案の定、それがさす場所にきてみれば、このダークライトがライフクリスタルを手に入れてるではないか。そんな危険な奴を野放しにはできない」
「待って下さい。ヴィンセントは邪悪なダークライトではありません。それは私が保証します。それにブラムは自ら自分のライフクリスタルをそのものに与えました」
アメリアが必死に懇願する。
「あなたはブラムの娘。だが我々の目から見れば完全なホワイトライトではない。あなたの意見は聞き入れられない」
「ちょっと、いい加減にしてよ。完全なホワイトライトじゃないから聞き入られないってどういうことよ。ヴィンセントはあなたたちが思うようなダークライトじゃないんだから」
ベアトリスは切れた。
パトリックはその姿を見ていて、子供の時にいじめっ子たちに果敢に向かっては弱いものを救っていたときの彼女を思い出した。
──あの子供の時のベアトリスだ。そっか、性格もライトソルーションで押さえられていたということなのか。
パトリックも一緒になって証明する。
「ディムライトの僕からも証言します。ヴィンセントは危険なダークライトではありません」
ホワイトライトのリーダーが鼻で笑った。
ディムライトの意見などもっといらないと馬鹿にした。
ベアトリスはその態度に益々憤慨した。
「君はどこの所属のホワイトライトだ。私達のリストには載ってないようだが」
「私はどこにも所属なんてしてないわ。はぐれ者よ」
「はぐれ者? 名前はなんと申す?」
「ベアトリス・マクレガーよ。文句ある?」
その名前を聞くとホワイトライト達は急に固まってひそひそと話し出した。
またリーダーが一歩前に出てベアトリスと向き合った。
「君はホワイトライト界でも嫌味嫌われる存在。まさか力を得て地上界に住んでいたとは驚きだ。力が封印されているはずではなかったのか」
「封印はとっくにとけたわ。だったら私も抹殺の対象となるんでしょう」
「普通のホワイトライトならそうなるだろう…… しかし君は違う。私の一存では何もいえない」
「どういうことよ」
「君はホワイトライトの長の娘だからだ。我々の一番頂点に立つ存在の娘。それだけに私は自分の判断だけでは決められない」
ベアトリスの出生の真実に皆一同驚いた。
「この件はブラムが担当していた。ブラムは長の側近で権限を与えられていた。だが私にはその権限はない」
「だったら、私をその人の所に連れて行って。そして話をさせて」
「俺も一緒に行く。それってベアトリスの本当の父親ってことになるんだろう」
ベアトリスとヴィンセントの提案にまたホワイトライト一同は集まってひそひそ話し出した。
暫くその話し合いは続き、ホワイトライト達もどうすべきか判断に困っている様子が伝わってくる。