ピュアダーク
ベアトリスは背筋を伸ばして学校に向かった。
あれだけ気乗りしなかった毎日の登校がこの日はハツラツと足が動く。
その勢いで学校に到着したが、めちゃくちゃになったプロムの話題が耳に入ってくると、全ては自分のせいだとベアトリスは罪悪感で心が痛かった。
折角伸びていた背筋が申し訳なささで縮んで丸くなる。
教室の入り口の前で、気持ちを整えようと一度大きく深呼吸をした。
そして、教室に足を踏み入れれば、後ろの窓際でヴィンセントが外を眺めているのが目についた。
それを見るなり、ベアトリスは笑顔で走り寄っていった。
「おはよう、ヴィンセント。今日は早いのね」
「おはよう。なんだか早く学校へ来たかったんだ」
普通に交わす朝の挨拶。だが二人には特別だった。
二人っきりでこんなに近くいることが貴重なことに思える。
暫く二人は笑みを浮かべながら見詰め合っていた。
「これから一緒にいられるね」
「もう君に弾き飛ばされないなんて、却ってなんか不思議に思えるくらいさ」
「だけど、ジェニファーが一緒だったとき近くにいられたのはなぜ? サラのときもそうだった」
「ん? あっ、そんなことどうでもいいじゃないか」
ヴィンセントは知らない方がいいだろうとシラを切った。少し後ろめたいのか、髪の毛をかき上げて視線を逸らして誤魔化している。
ベアトリスは首をかしげた。
そこにポールが教室に入ってきた。
ベアトリスもヴィンセントも「あっ」と軽く驚いたような声を出してじっと彼を見てしまった。
あれだけ気乗りしなかった毎日の登校がこの日はハツラツと足が動く。
その勢いで学校に到着したが、めちゃくちゃになったプロムの話題が耳に入ってくると、全ては自分のせいだとベアトリスは罪悪感で心が痛かった。
折角伸びていた背筋が申し訳なささで縮んで丸くなる。
教室の入り口の前で、気持ちを整えようと一度大きく深呼吸をした。
そして、教室に足を踏み入れれば、後ろの窓際でヴィンセントが外を眺めているのが目についた。
それを見るなり、ベアトリスは笑顔で走り寄っていった。
「おはよう、ヴィンセント。今日は早いのね」
「おはよう。なんだか早く学校へ来たかったんだ」
普通に交わす朝の挨拶。だが二人には特別だった。
二人っきりでこんなに近くいることが貴重なことに思える。
暫く二人は笑みを浮かべながら見詰め合っていた。
「これから一緒にいられるね」
「もう君に弾き飛ばされないなんて、却ってなんか不思議に思えるくらいさ」
「だけど、ジェニファーが一緒だったとき近くにいられたのはなぜ? サラのときもそうだった」
「ん? あっ、そんなことどうでもいいじゃないか」
ヴィンセントは知らない方がいいだろうとシラを切った。少し後ろめたいのか、髪の毛をかき上げて視線を逸らして誤魔化している。
ベアトリスは首をかしげた。
そこにポールが教室に入ってきた。
ベアトリスもヴィンセントも「あっ」と軽く驚いたような声を出してじっと彼を見てしまった。