俺は彼女に溺愛中 。
「……あっ、あの!ハル君っ……!
一目惚れで……好きです……っ」
告白。
「……っごめん」
彼女は俺の一言に涙を流して、
袖で目をこする。
「……っゆずちゃんの事……好きなんですか?」
俺は言葉に詰まる。
「……うん、16年間ずっと。」
「……私っ知ってました……!
で、でも諦めきれなくて…っ…!」
「……それでも、やっぱりごめん」
俺は、キッパリと彼女に言い放つ。
曖昧にする方が、傷つくから。
「……っふふ……これだから
ハルくんが好きなんだよ……っ?」
「……え?」
彼女は擦った目を赤くしながら
俺に微笑む。
「私、ゆずちゃんを見る優しいハルくんの…っ
幸せそうな笑顔が1番……好きだったからっ
……ハルくん、頑張ってね」
「……ありがとう。おう、頑張る」
彼女は、そう俺に微笑んで言うと
校舎へと走っていった。