俺は彼女に溺愛中 。
ーーーーーー1時間前。
俺は部活が終わると、そのまま靴箱に向かった。
「 …… あ。」
「 …… おっ。」
……っと……今日来た転校生。
……あ〜…名前なんだっけ……
自己紹介ん時俺ゲームしてたし、
ゆずの話で聞いてなかったっつーか……
「……美麗です。よろしくお願いします」
「美麗……かよろしくな」
彼女は俺が名前を覚えてないことを
察してか、自分から自己紹介をして来た。
「俺はーー」「ハルくん、ですよね」
俺が名前を言うことも無く美麗は
俺の名前を知っていた。
「おー、よく覚えてたな」
「まあ、目立つちますし」
美麗は敬語で俺に話す。
「同期なんだから敬語要らねーから」
俺は笑いながら美麗を見ると、
美麗は顔を赤くして手でパタパタと仰いでいた。
「……ってなんでそんな顔赤いんだよ」
「……え…そんなの…!」
美麗はそのまま慌てて、
自分の靴箱をガチャっと開ける。
俺は靴を取り出して、
美麗にじゃーなと言おうとした時、
「…………嘘…でしょ」
美麗は顔を真っ青にして、固まっている。
「……ん?どうした……」
俺は美麗の靴箱を覗き込むと、
そこには、靴が無い。
「……え…マジ」
美麗はガチャんと靴箱を閉めて、
俺に「大丈夫だから!じゃあ、また明日!」
なんて、青白い顔で言う。
……どこが大丈夫なんだよ。
俺は美麗の腕を引く。
「……っ!!!わっ!!!!」
美麗は想像以上にビックリしていて、
腕を引いた俺もビックリしてしまう。
「……美麗って馬鹿なの?」
俺は、1度閉めた靴箱を開けて
中履きに履き替える。
「……っなにして……!」
「何って……一緒に探すんだろ?」
美麗は驚いてアタフタしている。
「い、いやっ……私一人で「行くぞ」
俺は半ば強引に美麗を連れ出すと、
美麗は今にも泣きそうな顔で
「ごめんなさい〜っ」と言いながら
俺の手に引かれて歩いた。