俺は彼女に溺愛中 。
「ハルくん!!!……ってあれ……?」
走ってきた美麗は
猫を見て一瞬固まる。
「…………ネコちゃん……」
「あー……
この子学校に迷い込んで来たみたいで……」
「………………あーー!!!!!!」
いきなり美麗が叫び出してビックリする。
「…………なんだよ急に」
美麗は突然走り始める。
「はぁ!?」
仕方なく俺も美麗を追いかける。
美麗が走った先にあったのは
ちょこんと置いてあるローファーだった。
「……あったぁ……っ!」
「はぁ……マジかよ」
美麗はそのローファーを手に撮ると
くるっとこっちを向いて、
「……っご、ごめん!!」
と頭を下げて謝る
「いや見つかったなら別にいーんだけど……」
美麗はちょっと俺から目線を外して、
「……その〜、昼休みにネコちゃんと
遊んでて……その〜………
靴を置いていっちゃって……」
そう決まりが悪そうに言う。
「……まあ見つかったことだし早く帰れよ」
俺は美麗に後ろを向いて手を振る。
俺も今日はツイてないし
大事がないうちに帰りた……「待って…っ!」
俺の手はグッと引かれて、
グラッと後ろに倒れる。
「……っ何?」
美麗は、黙ったまま下を向く。
「………俺帰るわ」
俺は相変わらずの態度で
美麗の手をそっと離す。
「…っ!お礼!……お礼させて!」
「……はぁ?」
美麗は必死な顔をして
こっちを見る。
「靴!靴探してくれたお礼っ!」
「……別にそんなのいーよ」
俺は別にお礼が欲しくて
靴探したわけじゃねーし……
「……いやっ!私がお礼したいだけだから!
お願いっ!」
美麗は両手を合わせて俺にそう言う。
「……キャラメルカプチーノ!
奢る!!!!!」
美麗は最後の一手だ!!
というかのように言う。
キャラメルカプチーノは俺が
今日のお昼に飲んでた……
「……ったく行くぞ」
「う、うん!!」
俺は結局美麗に押されて
そのまま駅前へと行った。