俺は彼女に溺愛中 。

୨୧ すれ違い ୨୧

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side.ゆず



瑞希くんは私を少しからかう
素振りを見せたり、少し意地悪をする。



でも、凄く優しい。



お兄ちゃんみたいで、
なんだか安心出来る。



「……ねえ、ゆずちゃんはさ、」
「……んー？」


帰り道、暗いからと言って、
瑞希くんは家まで送ってくれている。






「ハルのどこが好きなの？」

「……え…えぇ？！」


いきなりの質問にビクリと飛び上がる。




「……うーんそれは……」



私は、そういわれてみれば、
ハルのここが好き！という事を
考えたことがなかった気がする。



顔？性格？


顔はそりゃあもちろんかっこいいけど…。
性格……？


瑞希くんほど優しくないし……
っていうかむしろ意地悪を通り越して
冷たいし…！！


勝手にクッキー食べるし！
気を使えないし雑だし……！
性格なんてとてつもなく悪いけど……




でも。




「ハルといると……ドキドキするの」





私が出した答えに、
瑞希は思わずクスクス笑う。




「ちょ、ちょっと！瑞希くん！
笑わないでよっ……！」


「ははっ……いや…
ゆずちゃんらしいなあって思ってさ！」



……私らしい？



「だって、ハルの事、直感で好きって
思ってるんでしょ？ゆずちゃんらしすぎ！」




いつまでもクスクス笑う瑞希くんに


「……んもう！！そんな瑞希くんこそ
好きな人いないの？」


さっきは誤魔化されたしーーー
私はからかい半分で聞く。





瑞希くんはキョトンとして、

「え、嘘さっきの伝わって無かった？」




「へ？」



「俺が好きなのはゆずちゃんだけど？」



「……もうまた誤魔化し「本気」



「さっきも冗談じゃないって
言ったでしょ？俺は本気だよ？」





やっぱり私は頭がパンクしそうになる。




「……ま、ゆずちゃん。」

「ひゃっ！」


瑞希くんは
私の肩をグッと持って向き合う。






「気が向いたら
俺の彼女になっていいんだからね？

ゆずちゃんならいつでも大歓迎」



「……か、彼女っ……！？」



慌てる私を見て瑞希くんは
楽しそうにニヤッと笑う。






「ほーら！お家ついたよーー



って………………あれ……？」


瑞希くんは、握っていた私の肩を
掴んだままクルッと一回転する。





「……え？」

「しー、」




……っ！？


瑞希くんは私の口を人差し指で抑える。