俺は彼女に溺愛中 。
。*⑅୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧⑅*。




「……ふぁ…いい匂い〜っ」




放課後、料理部の私はクッキーを焼いている。

今日はバター大目にしちゃったから
やっぱりいつもよりいい香りが教室に漂う。




料理部は3人という廃部寸前の人数で
時々、好きな時に好きな物を作れる部活だ。


って言っても、今日は1人なんだけれども。





なんの特技が無い私に唯一
好きなことで得意なものは料理しかない








『ピーー』

オーブンの音が鳴って、
私はクッキーをオーブンから取り出す。








「……うぅ〜っ!おっ、美味しそうぅ」

我ながら上出来なクッキーの出来に
思わず手を伸ばした瞬間、









「めっちゃ美味そうじゃん」

後ろから手が伸びる。







「ちょ、ちょっと!」

私は思わず、振り向く。









そこにいたのはーーー







この匂いーー ハルだ。










って、


……っ近い!








ハルは私の後ろから手を伸ばしているせいで
振り向くとハルの胸元と顔が近い。







「んまぁ!
……んーなんかいつもより美味しい」







ハルは私の顔を見て、
手を伸ばして、私の口元にクッキーを運ぶ。










まだ熱いクッキーをハルの手から口に入れる。







「……おいひい」

「……やっぱ?」







ハルはニヤッと微笑むと、

ガタンと椅子に座る。







私はドキドキした胸に手を当てながら
心を落ち着かせる。

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