俺は彼女に溺愛中 。


「……っていうかまたサボってるし」



私は、ハルのサッカー部の格好を見て
また抜け出してきたのが分かる




「……これはサボりじゃなくて、
栄養補給だからいーの」

「んもう!いーわけしないの」




私が調理室で何かを作るとハルは毎回来る。

いい匂いに釣られたように。




私は、少し冷めたクッキーを
あらかじめ準備した箱に一つ一つ入れる



……誰に渡すわけでもなく



別にハルが来るのを期待してたけじゃ……ない。




そう自分の気持ちに言い聞かせる。




「……ねぇ、ゆず。」

「なーに?そろそろ行かないと……」




ハルは私の手からクッキーを奪って手に取る。




「ゆず?もっとちょーだい」

ハルは甘えた顔で
クッキーをパクッと口に入れる。




「しょーがないなぁ、コレあげるから」
私は、クッキーを詰めた箱をハルに渡す。




ハルはその箱を手に取って、
もう一度机に置く。







「栄養補給これだけじゃ足りないんだけど」

「……え?これ以上は無……い……」




『ガタン』
ハルが立ち上がると共に椅子の倒れる。







ハルはいつもとは違うとろけた目で





「ゆずが欲しい」



そう私に近づく。


ハルが近づく度に
汗に反応した柔軟剤の匂いが強くなる。






「もうっ何言って……「本気」






ハルはきっと……ハルはーーー

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