キミにコイしてた。
「このあたしが好きって言ってやってんだぞぉ~」

先輩にベタベタしてる
女の子。

「お前 どんだけ自信あるんだよ」

笑ってる先輩。

あたしは下を向いてた―。

こんなとこ見たくなかった。

(やっぱ先輩ってモテるんだぁ。そりゃそうだょね……。)

(好きだって思うのはあたしだけじゃないょね…。)

この気持ちはそっと胸の奥にしまうことにした。

下を向いたまま
あたしは歩き出した。


もとの道へ―。


ふたりの楽しげに話す声なんか聞きたくないょ。

「あれ??ユイちゃん なんで帰るの?」


先輩が気づいたのか
声をかけてきた。

立ち止まったあたしは
振り返り

「先輩……。受験勉強がんばってください。
それだけ…言いたかったんです。」

必死に笑顔を作ってたらこんな言葉が出ちゃった。
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