超新星ロボ ヴァルドーラ
快挙
エミがゲーム筐体に入ってから三十分が経過していたが、まだ扉が開く事はなかった。ランプはまだついたまま。待っている恵蔵はかなり心配している。妻が戻るにはまだ十分余裕があるため、もう少し待ってみようと思い直す。幸い、新太は遊びに夢中でご機嫌だ。新太との遊び相手に専念する事にした。
更に十分が経過した時の事である。
突然、筐体から大きな音が鳴り響く。が、その旋律はハッピーなものであった。
周囲がざわついていた。恵蔵と新太も何事かと立ち上がっていた。
少しの後、扉か開いた。中から少し疲れた表情を浮かべたエミが現れる。
「大丈夫か、エミ」
「うん。何とかゲットできたよ」
心配げな父親に、筐体から受け取ったカードと安堵の笑みで応えた。
ゲームコーナーの店長がエミのもとに飛んで来た。
「おめでとうございます!この店初の、いや、世界初のクリアです。皆様、暖かい拍手をお願いいたします」
「おめでとう!」
周囲から祝福の言葉と暖かい拍手が湧き起こった。まだ熱気が残るエミは頬を赤らめて周りにお辞儀した。
「ご家族ですか。少し書類を書いて頂きたいので、部屋まで来てください」
恵蔵に店長が話した。
「あぁ、少しでしたら」
恵蔵は即座に答え、店長について行く事にした。
エミと新太も後について行く。
「やはりこのゲームは誰もクリアしていなかったのですか…」
「ええ。難しすぎて最近は客足も悪かったんです。さぁ、この中です。どうぞ」
店長室に三人は通された。中はさほど広くはなかったが快適だった。新太とエミは少しゆったりとしたソファーに座った。
「少しお待ち下さい。書類を取って来ます」
「わかりました」
店長はそう言うと、奥の倉庫に向かった。恵蔵もエミ達と座って待つことにした。
「姉ちゃんスゲーなぁ。全然出てこなかった」
「あたしもやる時はやるのだよ!」
「ハハハハ」
「でも初めてするゲームなのによくできたなぁ。出てこなくて心配したよ」
「あたしもよくわかんないのよ、パパ。何となくやってただけなのにね」
「僕でもできるかなぁ」
「できるんじゃない?新太の方がゲーム上手いし」
「パパ、僕もやってみたい!」
「そうだな、後でやらせてあげるよ」
「やったぁ!楽しみだ」
「あたしが操作教えたげるよ」
「ありがとう、姉ちゃん」
「まっかせなさーい」
店長が用紙を持って戻ってきた。恵蔵が立ち上がり説明を受ける。
「ゲーム会社から通達がありまして、クリアされた方に招待状を送付するために個人情報の記入をお願いしたいとの事です」
「それは構いませんが、招待とはまた大袈裟な」
「何でも大会への出場権が得られるとか」
「そうなんですか。わかりました、書きましょう」
恵蔵はペンを受け取ると、書類に記入していった。簡単で必要最低限の情報だけだったので、書き終えるのにそう時間はかからなかった。
「よし、できた。これでお願いします」
「ありがとうございます。後はこちらで手続きしておきます」
「よろしくお願いいたします」
店長に一礼して、子供達と部屋を後にした。
更に十分が経過した時の事である。
突然、筐体から大きな音が鳴り響く。が、その旋律はハッピーなものであった。
周囲がざわついていた。恵蔵と新太も何事かと立ち上がっていた。
少しの後、扉か開いた。中から少し疲れた表情を浮かべたエミが現れる。
「大丈夫か、エミ」
「うん。何とかゲットできたよ」
心配げな父親に、筐体から受け取ったカードと安堵の笑みで応えた。
ゲームコーナーの店長がエミのもとに飛んで来た。
「おめでとうございます!この店初の、いや、世界初のクリアです。皆様、暖かい拍手をお願いいたします」
「おめでとう!」
周囲から祝福の言葉と暖かい拍手が湧き起こった。まだ熱気が残るエミは頬を赤らめて周りにお辞儀した。
「ご家族ですか。少し書類を書いて頂きたいので、部屋まで来てください」
恵蔵に店長が話した。
「あぁ、少しでしたら」
恵蔵は即座に答え、店長について行く事にした。
エミと新太も後について行く。
「やはりこのゲームは誰もクリアしていなかったのですか…」
「ええ。難しすぎて最近は客足も悪かったんです。さぁ、この中です。どうぞ」
店長室に三人は通された。中はさほど広くはなかったが快適だった。新太とエミは少しゆったりとしたソファーに座った。
「少しお待ち下さい。書類を取って来ます」
「わかりました」
店長はそう言うと、奥の倉庫に向かった。恵蔵もエミ達と座って待つことにした。
「姉ちゃんスゲーなぁ。全然出てこなかった」
「あたしもやる時はやるのだよ!」
「ハハハハ」
「でも初めてするゲームなのによくできたなぁ。出てこなくて心配したよ」
「あたしもよくわかんないのよ、パパ。何となくやってただけなのにね」
「僕でもできるかなぁ」
「できるんじゃない?新太の方がゲーム上手いし」
「パパ、僕もやってみたい!」
「そうだな、後でやらせてあげるよ」
「やったぁ!楽しみだ」
「あたしが操作教えたげるよ」
「ありがとう、姉ちゃん」
「まっかせなさーい」
店長が用紙を持って戻ってきた。恵蔵が立ち上がり説明を受ける。
「ゲーム会社から通達がありまして、クリアされた方に招待状を送付するために個人情報の記入をお願いしたいとの事です」
「それは構いませんが、招待とはまた大袈裟な」
「何でも大会への出場権が得られるとか」
「そうなんですか。わかりました、書きましょう」
恵蔵はペンを受け取ると、書類に記入していった。簡単で必要最低限の情報だけだったので、書き終えるのにそう時間はかからなかった。
「よし、できた。これでお願いします」
「ありがとうございます。後はこちらで手続きしておきます」
「よろしくお願いいたします」
店長に一礼して、子供達と部屋を後にした。