先生と準備室 後編
元カノ…彼女の腕を掴みながら言った。

それは、私を安心させるように

言った言葉だろう。

だけど元カノ、って凌久の口から聞こえた

瞬間、悔しくて涙が溢れる。

「佳奈?梨花は今の俺に関係ないから。
大丈夫だよ。」

凌久は梨花さんの腕を振り切り、私を

抱きしめる。

だけど、凌久の胸板からは…私の大好きな

匂い…凌久の匂いもしなかった。

梨花さんの、大人っぽい香水の匂いがして

ただ涙腺を緩くするだけだった。

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