先生と準備室 後編
「やめて…」

「え?」

「離して…今は凌久の顔見れない…
見たくないッ!」

私は凌久を突き飛ばし、アウトレットの

出口へ向かって走って逃げた。

「佳奈!」

後ろから凌久の声がした。




一瞬、期待した。

追いかけてくれるかなって。

梨花さんより私を選んでくれるって。





だから私もゆっくり振り返った。

あーあ…見なきゃよかった…。

だって…梨花さんが凌久の腕を掴んで

抱きしめていたから。
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