先生と準備室 後編
頰に片手を添えられ私の顔は

勝手に犬山さんの方へ向く。

「どうしたの…」

「…」

「どこか痛いの?」

「違う…」

「もしかして凌久さん?」

「…」

図星で何も答えられなかった。

「喧嘩しちゃったか…」

犬山さんが私の腕を優しく掴みながら

言っている。

その間にも私の目からはどんどん涙が

出てくる。

そのせいか、周りの人からは変な目で

見られて、俯くしかなかった。

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