先生と準備室 後編
「ちょっとごめんね」

そう言い、犬山さんは私の顔を

上げさせ綺麗に涙を拭う。

「……手、濡れちゃって…
ごめんなさい…もう…帰るんで…」

「は?」

「離して…」

「凌久さんと帰るの?」

首を横に降る。

確かに、帰る手段思いつかなかった。

凌久の車で来たから…

「電車…」

「外、暗いよ」

出口の方を見ると、外は少し薄暗い。

確かにお昼ご飯食べてから出たから

もう暗いよね。

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