先生と準備室 後編

行きと同じ道を進んで行く車。

いつもなら

「見て!この景色すっごい綺麗!」

「ほんとだね!佳奈は良いもの見つける
よね」

なんて楽しい会話をしてるのに

私が話さないから無言で。



「あのさ…」

「…」

「ごめん」

「…っ…」

後もう少しで家に着くから頑張って

視線を下にして涙が出ないように

耐えてたのに。

凌久が…

弱々しい声で謝ってくるから

涙が溢れた。

「…っ…」
< 155 / 231 >

この作品をシェア

pagetop