先生と準備室 後編
「着いたよ。え…?佳奈…?」

佳奈の方を見ると静かに泣いていて

自分の手でひたすら涙を拭っていたのか

手は濡れていた。

「佳奈…」

俺は佳奈の手を優しく握る。

だけど

「ごめん…離して」

そう言われて手を払いのけられた。

「え?」

"私、凌久を傷つける言葉しか言える
自信ない"

そう、震えた声で言って車を飛び出した

佳奈。

俺も慌てて佳奈の荷物を持ち追いかけた。

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