先生と準備室 後編

「佳奈はただでさえ傷ついてたのに
更に傷つけた…」

「もう良いよ…」

布団の上に添えてある凌久の手を

握る。

だけど、凌久は私の手を握り返して

話し続けた。

「家に帰って来て、佳奈が居なくて、
ネックレスも置いてあって…
もう…佳奈が帰って来てくれないって
思って…っ。
俺、歳上なのになんで歳下の佳奈を
泣かせてんだって…
ベランダで頭冷やしてたんだ」

だから体冷えたんだと思う、そう

続けた。

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