先生と準備室 後編
実はカフェにケーキがあって、

凌久が好きなモンブランがあったから

買っておいた。

「もぉ、甘やかすんだから。」

んふふ、と幸せそうに笑い私の手から

箱を取った。

「凌久?持つよ?」

「違うよ?俺は手を繋ぎたかったの」

さっきの笑顔と変わり、耳を微かに赤に

染めた凌久が私の手を握った。

手を繋ぎたかったの、って言いながら

多分私が荷物を持ってるのに気がついて

持ってくれたんだろう。

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