先生と準備室 後編
「ありがとう。あのさ、佳奈?」

凌久の声のトーンが少し低くなる。

「何?」

「川村と2人きりにならないで」

「え?なんで?」

「いいから。ね?
あ、ごめん、授業だわ。
とにかく気をつけて」

「え、あ、うん」

よくわからない言葉で電話は切れた。

それから、可愛いキーホルダーを買って

商店街を歩きつくして、旅館に戻った。

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