先生と準備室 後編
土曜日だからか、ガヤガヤしている

駅のホーム。

家族連れや幸せそうなカップル。

いいなぁ…

私、凌久にどんな顔して会えばいいんだろ

「佳奈!」

改札を出たら横から聞き覚えのある声。

「ッ…!」

「おかえり」

ふにゃんといつも通り笑う彼は

私の手を握る。

「…ヤッ!」

パシンッと乾いた音がした。

それは、凌久の手を弾いたから。

「あ…ごめん…」

「ッ…!
あ…ううん。大丈夫」

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