先生と準備室 後編
心配かけたくなくて、ひたすら嘘をつき続けた。

そのせいか

「あっそ。わかった。」

凌久が私の涙を拭っていた頰から手を離し

呆れるようにそう言った。

「…凌久?…」

「俺、先に荷物置いてくるからゆっくり来な」

部屋の番号が書いてある合鍵を、投げつける

ように車の中に置く。

「凌…」

運転席のドアが荒々しく閉まり私の声が

最後まで届かなかった。

「私…何やってんだろ…」

しばらく車に座って体を休めた。

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